「紅柊(R-15~大人向け)」
戊戌・春夏の章

紅梅、哭く・其の貳~天保九年二月の惨劇(★)

 ←烏のおぼえ書き~其の百八十五・木賃宿・前編 →烏のまかない処~其の二百九十三・湘南菓庵三鈴のハートのもなか
 濃厚な紅梅の香りと共に鶯の恋鳴きがどこからともなく聞こえてくる。それはまるで梅そのものが鳴いているかのようだ。それを耳にしながらお春とおウメは雑木林の一角に茣蓙を敷き、『仕事』の準備を始めていた。

「ちょいと寒いけど仕方ないか」

 お春がぐるりと周囲を見回しながら呟いた。雑木が密集しているとは言え屋外であることは変わらない。風が吹きさらす川縁よりは遥かにましだが、温かいと言うには語弊がある。だが諸々の事情を鑑みれば仕方がないだろう。

「どのみちそんなに長引かないんじゃないの?お仲間から外れてこっちに来るんだから・・・・・・あの様子じゃ山田様のところみたいなお勤め後の宴も無さそうだしね」

 おウメの指摘にお春も苦笑いを浮かべる。確かに先程の様子からするとあの集団から抜け出すのも一苦労だろう。もしかしたら抜け出すことに失敗してこちらに来ることができないかもしれない。むしろその方が厄介事に巻き込まれずに済みそうなのでありがたいが・・・・・・と、お春がおウメに語りかけようとしたその時である。
 がさがさと落ち葉を踏みしめる、慌ただしい音が聞こえたと思ったら伸吾が小走りに二人の元へ近づいてきたのである。そして二人の姿を確認すると、伸吾は安堵の笑みを浮かべた。

「済まない、先輩達を巻くのに手間取っちまって。誠五郎さんに頼み込んでチョンの間だけ時間を貰ってきた」

 そう言うと早速袴を落とし、長着の裾を尻っぱしょりにからげた。よっぽど与えられた時間が短いのだろう。そのせっかちさにお春はあからさまに呆れた表情を浮かべた。

「全くお侍様ともあろう方がこんなに慌ただしく・・・・・・よっぽど溜まっているんですかい」

 そう言いながら伸吾の腰からするりと煙管入れを抜き取り、それを手にしたまま地面に敷かれた茣蓙を指し示す。

「おウメちゃんは前の方を頼まれておくれ。わっちはこっちのお相手をして差し上げようと思うから」

 おウメに『役割分担』を指示しつつ、お春は伸吾のむき出しになった尻をスルリ、と撫で上げた。

「ああっ」

 その瞬間、伸吾は欲望に昂ぶった嬌声を漏らしてしまう。その艶めいた声は武士よりは陰間や男娼にこそ相応しいものである。色欲に飢えた伸吾には、武士としての矜持など無いのだろう。

「ふふっ、可愛らしい声でございますね。わっちらのような下賤な女に良いようにされて興奮なさっているんですかい?」

 お春は伸吾の尻を撫で回しつつ、煙管入れを伸吾の足の間に差し入れる。そして下帯の上からゴツゴツした煙管入れで股間をしごき始めた。歪なその形は伸吾の菊座や双玉、そして熱り立った逸物を焦らすように刺激してゆく。

「やっ、焦らさない、で・・・・・・はや、く」

 双方の立場を考えれば、むしろ命令口調でなければならないのに伸吾の唇から零れるのは嘆願である。他人から見たら余りにも情けない姿だが、これが伸吾の業なのだ。そして金をもらった分だけその業を満足させるのがお春やおウメの勤めである。

「おウメちゃん頼むよ」

「はいな」

 おウメは返事をすると、裾を絡げて茣蓙に横たわる。その瞬間、伸吾は己の逸物を下帯から強引に引っ張り出しおウメの上に覆いかぶさったのである。

(予めふのりで仕込みをしておいて正解だったね)

 夜鷹など安い女買いをする男は『用件』だけを済ませようと、前戯も無しでいきなり逸物を蜜壺に突っ込んでくるものが殆どである。それを見越し、怪我をしないよう女たちは予めふのりなどの潤滑剤で前準備をしておくのだが、今回も功を奏した形だ。

(本当だったらこっちも何か油でも塗るべきなんだろうけど)

 お春は振り続けられる伸吾の腰に難儀しながら下帯をずらし、菊座を露わにする。男達によって使い込まれた菊座は既に綻びを見せており、お春が手にしている煙管入れくらいなら潤滑剤無しでも楽に呑み込めそうだ。

「では、こちらも行きますよ伸吾様。せいぜい愉しんでくださいませ」

 一応声がけをしてから、お春は煙管入れを伸吾の菊座に宛がう。その瞬間、流石に伸吾の動きが止まったのでそれを逃さずお春は一気に煙管入れを伸吾の菊座に押し込んだ。

「うわっ、いきなり、なん、て」

 予想打にしていなかったお春の乱暴な攻撃に伸吾は慌てるが、それでも表情は快楽に緩み、菊座も煙管入れを呑み込みながらひくついている。

「でも蕩けそうなお顔をしていらっしゃいますよ?乱暴に犯されるのがお好きとお見受けいたしますが・・・・・・長吏の女に玩具のように嬲りものにされながら、こんなに惚けていていいんですかい?お武家様ともあろう御方が」

 お春が囁いたその瞬間、伸吾の背中がビクリ、と跳ね上がり、下に寝転んでいたおウメも軽いうめき声を上げた。どうやらお春の言葉責めで伸吾が精を放ってしまったらしい。

「どうします?もう終わりにしておきましょうか?お時間の事もありますし」

 絶対に物足りないだろうと確信しつつ、お春は意地悪く菊座の煙管入れを引き抜こうとする。すると伸吾は慌てて首を横に振った。

「も、もう一発だけ・・・・・・尻だけでもいいから」

 お春の突き放した物言いに伸吾が懇願する。確かに異常なほど性欲が強い伸吾が禁欲を強いられているのだ。自分で慰めるのにも限度があるだろうし、一発では全然物足りないだろう。

「た、頼む・・・・・・」

「仕方ないですねぇ。じゃあ行きますよ」

 お春はにやりと笑い、ゴツゴツした煙管入れを再び出し入れし始めた。すると伸吾はまるで女のように腰をくゆらせ、甘ったるい嬌声を上げ始める。むしろおウメを抱いていたときよりも激しい反応かもしれない。

「本当に、伸吾様は淫乱でございますね」

 お春はぐりぐりと煙管入れを伸吾の菊座の中でかき回しながら加虐の言葉を投げかける。状況からしたらあまり時間がかけられない中、伸吾を満足させなければならないのだ。そのためには多少手荒なこともしなければならないのも覚悟の上である。

「おや、だいぶ張り詰めてまいりましたねぇ。おウメちゃんの手でも可愛がってもらいましょうか」

 そう言いつつお春はおウメに目配せをする。すると手早く後処理を終えたおウメが伸吾の逸物を握り、しごき始めたのである。二人がかりで犯されては幾ら性欲が強い伸吾も堪らない。二人の女から激しい愛撫を受けた伸吾は堪らず、二度目の精をおウメの手の中で放ってしまった。

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

 流石に荒くなった息を伸吾は整える。これで暫くは大丈夫だろう――――――そう判断したお春はゆっくりと煙管入れを伸吾の菊座から引き抜いた。

「じゃあそろそろお開きと参りましょ・・・・・・!!」

 言いかけたお春だったが、突如背後に人の気配を感じる。否、人の気配なんて生易しいものではない。あからさまな怒気を含んだその足跡に恐怖を覚え振り向いたその瞬間、お春の目の前にギラリとした閃光が煌めき、次の瞬間喉元に激痛を覚えた。

「お、お春ちゃん!」

 おウメが叫んだその先には、喉を――――――否、首を斬られたお春の亡骸が転がっていた。驚きに眼を見開いたその顔は意外なほど美しく、痛みなど殆ど感じないうちの即死だったことを知らしめている。そしてそんなお春の亡骸の向こう側には血刀を手にした一人の侍が立ち尽くしていた。返り血を浴びたその姿はどこまでも凄惨で、地獄の底から這い出してきた鬼そのもののようだった。その鬼の顔を見た瞬間、伸吾が悲鳴に近い声を上げる。

「と、利親兄者!な、何故江戸に?兄者がこっちに来るのは三月のはずじゃ・・・・・・」

「誠五郎がここ最近の様子を年賀状で寄越してくれてな。嫌な予感を覚えて早めに江戸にやってきてが・・・・・・堕ちたものだな、伸吾」

 男はそう言い放つと、ガタガタと震えて腰を抜かしているおウメに近づき、お春同様首を掻き斬った。作法としては首の皮一枚を残し、首の重さでその皮を斬ることによって極力返り血を少なくするものなのだが、それさえも無視した乱暴な斬首だ。

「あ、兄者!!何もそこまで」

「わが家中の者が下賤な女と戯れていたと知られてはお家の恥になる。判っているな、伸吾。お前にも責任は取ってもらう。その前に・・・・・・」

 男は血が滴る刀を伸吾の鼻先に突きつけ壮絶な笑みを浮かべた。




UP DATE 2017.2.8

Back   Next


にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
INランキング参加中。
お気に召しましたら拍手代わりに是非ひとポチをv


  
こちらは画像表示型ランキングです。押さなくてもランキングに反映されます。
(双方バナーのリンク先には素敵小説が多数ございます。お口直しに是非v)

 




伸吾と鳥追の娘二人は、一番見つかってはいけない人物に見つかってしまったようです(>_<)
利親に年賀状でそれとなく伸吾の様子を伝えた誠五郎は『やんわり』とした表現だったと思うんですよね~。例えば『伸吾が寂しがっている』とか『利親を恋しがっている』とか・・・しかし恋人?の勘なんでしょうか、嫌な予感を覚えた利親はひと月近く早くやってきて伸吾の『浮気現場』を押さえてしまいました(>_<)これが仲間内だったら流石に刃傷沙汰にはならなかったと思われますが不幸なことに被差別民の鳥追の娘達・・・嫉妬のまま容赦なく斬り殺してしまったのです((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
次回は伸吾の番になりますが、その前に・・・男同士の陵辱場面がございます(^_^;)というかBLエロってオリジナルでは初めて書くんですけど大丈夫かな・・・うん、頑張ります(^_^;)
(以前銀魂沖土でエグいの書いた記憶がありますが・・・苦手な方はご容赦を。今回以上のえろす&ばいおれんすな展開になります(>_<))
関連記事
スポンサーサイト

 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png vague~道場主・作間駿次郎顛末記
総もくじ 3kaku_s_L.png 夏虫~新選組異聞~
総もくじ 3kaku_s_L.png 紅柊(R-15~大人向け)
総もくじ 3kaku_s_L.png 葵と杏葉
総もくじ 3kaku_s_L.png 横浜慕情(大人向け)
総もくじ 3kaku_s_L.png 短編小説
総もくじ 3kaku_s_L.png VOCALOID小説
総もくじ 3kaku_s_L.png 雑  記
総もくじ  3kaku_s_L.png vague~道場主・作間駿次郎顛末記
総もくじ  3kaku_s_L.png 夏虫~新選組異聞~
総もくじ  3kaku_s_L.png 紅柊(R-15~大人向け)
総もくじ  3kaku_s_L.png 葵と杏葉
総もくじ  3kaku_s_L.png 横浜慕情(大人向け)
総もくじ  3kaku_s_L.png 短編小説
総もくじ  3kaku_s_L.png VOCALOID小説
総もくじ  3kaku_s_L.png 雑  記
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【烏のおぼえ書き~其の百八十五・木賃宿・前編】へ  【烏のまかない処~其の二百九十三・湘南菓庵三鈴のハートのもなか】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【烏のおぼえ書き~其の百八十五・木賃宿・前編】へ
  • 【烏のまかない処~其の二百九十三・湘南菓庵三鈴のハートのもなか】へ