「紅柊(R-15~大人向け)」
丁酉・秋冬の章

病葉の恋・其の肆~天保八年八月の嫉妬(★)

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 濃密な淫気が満ちる大広間の中央、日寛を跨ぐ形で貫かれたふみは、強く抱きしめられたまま唇を蹂躙されていた。情事そのもののような淫猥な濡音を立てながらふみの口腔を嬲る日寛の顎から喉にかけては、既に零れ落ちた二人の唾液によって濡れ、妖しげな光をたたえている。

「んふっ・・・・・あふっ、んっっ!!」

 ふみはふみで執拗な日寛の愛撫から逃れようと必死に抵抗する。だが逃れたくても頭を抱えられるように強く抱きしめられた形では、息継ぎをするのが関の山だ。そして執拗な愛撫は徐々にふみの理性を溶かしていった。
 濃厚な接吻で絡められている舌からは甘い痺れが絶えず送り込まれ、強く抱きしめられている腕からは妙な安堵感が与えられる。そしてまるで別の生き物のように動く腰からはむず痒さにも似た快感が次から次へと湧き出してくるのだ。
 理性では駄目だと理解していても、性の快感を覚え始めた若い身体は貪欲にそれを求めてしまう。いつしかぎこちなかったふみの腰の動きも滑らかになり、卑猥な濡音が恥ずかしげもなく奏でられ続けた。。

「だいぶ上手くなってきましたね、浅木殿。とても二度目とは思えない」

 ようやく唇を開放した日寛が耳許で囁き、舌先で耳をくすぐる。

「あっ、やんっ」

 頤を仰け反らせ、日寛の愛撫から逃れようとするが、ふみを抱え込んでいる日寛の逞しい腕がそれを許さなかった。

「蕩けきった顔をして。だいぶ甘い声も出せるようになってきたじゃありませんか」

 耳朶を甘噛みしながら日寛は下から激しくふみを突き上げる。するとふみの蜜壺は本人の意思とは関係なく不埒な侵入者をきゅうきゅうと締め付け始めた。その反応に日寛は満足気に頷き、ふみの尻を撫で擦る。

「下の口も私の逸物を締め付けて・・・・・・折角ですから蜜壺の中に出してあげましょうか?こんなに欲しがっているんですから」

 意地の悪い言い方をしつつ、日寛はふみの尻を強く押さえつけた。すると日寛の逸物の先端は更に深くふみの身体を貫く。その感触にふみは慌て、首を横に振った。

「おっ、お戯れはおやめくださいませ。ややが出来てしまっては、奥向きのお勤めが・・・・・・・」

「ご安心を。私が子どもごとあなたを囲って差し上げますよ、浅木殿。それが不服ならややを産んで里子に出せばよろしいでしょう。子供を成せず、拙寺に参拝に来る方々も少なくありませぬから」

 狂気に満ちた目でふみを見上げながら日寛は口元を歪める。それは完全にふみを我が物にしようという欲望が滲みでた顔だった。この男は本気で自分を孕まそうとしている――――――その事実にふみは恐怖を覚え、身体が動かなくなる。その反応をとう感じたのか、日寛は再び耳朶に唇を寄せると、やや強めに耳朶を噛み、囁いた。

「おや?どうやら疲れてきたようですね。こんなに強く噛んでも反応が良くないとは・・・・・・ならば場所を変わりましょう」

 ふみが疲れ果てて動けなくなったと判断した日寛は、ふみを抱いたままごろり、と身体を反転させる。そしてふみの太腿を抱え込むと激しく腰を叩きつけ始めた。先程よりも更に深くまで押し入ってくる逸物と激しい動き――――――明らかにふみを孕ませようとする欲望そのものの動きだった。その動きにふみは御庭番としての任務も忘れ、ただ泣き叫ぶ。

「いやぁ!やめて!離して・・・・・・っ、やあっっ!!」

 ふみは必死に抵抗するが、日寛から逃れることは勿論、その動きを止めることさえできない。泣きじゃくるふみを見下ろしながら更に激しく腰を打ち付けたその直後、ふみの胎内に忌まわしい迸りが弾け、広がっていった。更に日寛がふみの蜜壺から逸物を引き抜くと、どろりとした不快な感触が蜜壺から溢れ、内腿を濡らす。

(やっと・・・・・・終わった)

 これで日寛は自分を解放してくれるだろう――――――そう思ったふみだったが、次の瞬間その希望はもろくも打ち砕かれた。

「まさか、この一度だけとは思っていませんよね、浅木殿」

 涙に濡れたふみのほおに掌を添えながら、日寛はにやりと笑う。そしてぐったりと横たわるふみの身体を強引に起こすと、自分の胡座の中に座らせ、その耳許で囁いた。

「まだまだ日は高い。門限ギリギリまで『天悦』を堪能してもらいますよ」

 そう言いながら、日寛の手は荒い息遣いに上下するふみの乳房を掬い上げ、指先で固く凝った乳首を転がし始める。すると疲れ果てているにも拘らずふみの身体に先ほどの快楽の記憶が蘇ってくるではないか。

「にっかん、さまぁ・・・・・・もう、やめてぇ」

 疲れてもつれる舌でふみは訴えるが、その舌足らずな口調は甘えているようにしか周囲には聞こえない。それは日寛も同様で、更にふみを強引に昂ぶらせようと空いている手をぐっしょりと濡れた花弁へと伸ばし始めた。



 数えきれないほど何度も絶頂へと突き上げられ、三度もその胎内に精を放たれたふみが日寛から解放されたのは、門限ギリギリ、帰宅時間直前だった。しかしふみはそんな時間になっても動くことは勿論、起き上がることもできなかった。髪は結い直しがきかないほど乱れ、襦袢も腰紐で辛うじて身体にまとわりついているだけである。そんなふみを見かねて真希が近寄ってきた。

「申し訳ございませぬ、日寛様。私めの後輩がはしたない真似を」

 表面上は謝りつつも、その目は日寛を睨みつけている。だが日寛も負けていなかった。真希の咎めるような視線に臆すること無く、むしろ不敵な笑みさえ浮かべながら日寛は真希を睨み返す。

「いいえ。『天悦』を授けるのは当然のこと。むしろ浅木殿は与えられた全てを受け止めて下さったようです」

 そう言い放つと、日寛は真希に奪われぬようにふみを抱き上げ、その顎に指をかけると自分の方へ顔を向けさせた。

「浅木殿、次回は来月に。どんなに忙しくてもあなたのお相手はさせていただきますよ」

 声を荒らげているわけではないが、その言葉には有無を言わせぬ力強さがある。そんな言葉にふみはぼんやりとした視線で日寛の顔を見つめることしか出来なかった。



 なかなかふみを手放そうとしない日寛からふみを強引に奪い取ると、真希は小袿、打掛をふみに羽織らせ、そのまま駕籠に押し込んだ。まともに着付けをしていては門限に間に合わなかったのだ。そして江戸城へ帰り、西ノ丸にたどり着いたふみは、真っ先に湯を使わせてもらった後、髪を乾かすことさえ出来ず、そのまま寝込んでしまった。

「申し訳ございません。私が付いていながら浅木をこんな目に遭わせてしまって」

 ふみを見舞いに来た本條に対し、仲間たちと共にふみの髪を乾かしていた真希が頭を下げる。だが本條は『気にするな』と真希を労った。

「これも勤め、吉野が謝ることはない。しかし、最初にしては少々きついものだったがな」

 髪を解き、ぐったりと寝入っているふみの額に手を当てながら本條が呟く。

「ところで、吉野。浅木の気持ちは日寛とやらになびいている様子はあるか?」

 ここまで激しい情事を繰り広げたとなると、心まで奪われている可能性がある。本條はその点を真希に尋ねた。しかし、真希は眉間にしわを寄せつつ首を傾げる。

「・・・・・・判りかねます。本人は落ちぬよう気持ちを保っているようですが、傍から見たら既に落ちかけているかと」

「となると、半年は感応寺には出せぬな。有力僧侶を捕まえたのは良かったが、このままでは木乃伊取りが木乃伊になりかねない」

 ふみの額に乗せられた本條の掌にはやや高めの熱が伝わってくる。肉体的疲労からなのか、それとも精神的な疲労からなのかふみは高熱を出し始めていた。この様子では二、三日は最低でも寝こむことになるだろう。

「しかし向こうは来月に来いと浅木を脅迫しておりましたが」

「そんなもの、聞く必要など無いであろう。そもそも吉野、お前だって聞く気など毛頭持ちあわせておらぬだろう」

「あら、バレましたか?」

「・・・・・・その図々しさの四分の一でも浅木にあれば」

「そんなもの、あと十年もしたら身につきます。我々のように」

「云うてくれるわ」

 真希の冗談に呆れつつも、本條の頬にようやく微笑みが戻る。

「できれば半年、最低でも今年いっぱいは日寛を焦らしておくように。その間吉野、お前は鷹尾と組んで感応寺の潜伏捜査を」

「承知」

 鷹尾は真希と二歳違いの経験豊富な御庭番である。やはりこの任務は若手には難しいのだろう――――――心中でそう思いつつ、真希は本條の命令に頭を下げた。



 御庭番西ノ丸隊頭領・本條の采配によりふみは一時的に任務から外されることとなった。しかし、ふみの年内いっぱいの解任は、日寛を予想外の行動に駆り立てることとなる。




UP DATE 2016.8.24

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日寛の嫉妬は、ふみを暫しの間使いものにさせなくなる程のものがあったようです(>_<)
半分は本格的な任務の前の練習の様相もあったのですが、まさかふみがここまでうざい奴に捕まるとは先輩たちも思っていなかったでしょう(-_-;)可哀想ですが、おふみちゃんは二、三日寝こむことになりそうです(´・ω・`)

そして若手がこんな状況ですので、今度は年増、もといベテランのお姉さん方が調査に当たることになりますが、ふみに振られた?日寛がこのまま大人しくしているとも思えず・・・次回このCPの話は11月か12月になる予定です(*^_^*)

そして来週は拍手文の更新、来月の紅柊は五三郎の跡取りお披露目&猶次郎リベンジの御様御用となります(๑•̀ㅂ•́)و✧
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