「紅柊(R-15~大人向け)」
丁酉・秋冬の章

病葉の恋・其の貳~天保八年八月の嫉妬(★)

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 大広間に満ちる淫靡な空気を切り裂く鋭い声――――――その声に驚き、ふみは反射的に声の方へ振り向く。するとそこには今まで見たことのない厳しい表情の日寛が立ちはだかっていた。今にも日笙に殴りかからんばかりのその姿に、ふみは恐怖を覚える。

「おや、日寛。お前が相手をするはずだった御女中たちは?」

 だが日笙の方は別段驚いた風もなく、むしろ日寛の怒りを面白がっているようだ。ふみを掴んだまま含み笑いを浮かべ日寛に尋ねる。

「既に他の僧都に任せてありますよ。どうやら御女中たちも初な若い者の方が良さそうでしたのでね」

 ちらりと流し目をくれたその先には、先ほど日寛が相手にしていた三人の奥女中には若い僧侶が対応していた。確かに日寛の指摘通り、二十歳そこそこの若い修行僧らしい。奥女中らは作務衣を剥ぎ取り、天を仰ぐ逸物に頬ずりしたり、若者を押し倒し自ら跨がり腰を振り始めている有様だ。

「なるほどね。あそこまで貪欲だと手練手管より体力が必要か。あいつら、明日のお勤めは使い物にならんだろうな」

 奥女中を侮蔑する一言を呟いた日笙に対し、日寛は更に迫る。

「お解り頂けましたでしょう?俺と浅木殿とは既に『約束』を取り付けてありますので、日笙先輩はお引き取りください」

 静かな、しかしあからさまな怒気を含んだその声にふみは恐れおののくが、日笙はむしろ面白そうにニヤニヤと笑い、ふみを日寛の方へ突き飛ばした。

「あっ」

 不意に突き飛ばされたふみはよろけ、そのまま日寛の胸にしがみつく。

「お前くらいの年齢じゃ若い娘に惹かれるのは当然だが、せいぜい溺れすぎないよう気をつけるんだな」

 負け惜しみとも忠告とも取れる一言を残し、日笙はその場から立ち去り、別の女官に声をかけ始めた。

(助かった)

 日笙から開放されたふみは一瞬そう思ったが、きつく自分を抱きしめる日寛の腕にその考えが浅はかだったことに気がつく。

「日寛、さま?」

 異様な気配に気づいたふみは、日寛の腕の中から恐る恐る日寛の顔を見上げる。すると日寛は厳しい表情のままふみを見下ろし、低い声で語りかけた。

「どうもあなたは隙がありすぎるようだ」

 怒りに満ちた目でふみを睨みつけると、日寛はそのまま多くの男女が蠢いている大広間の中央へとふみを引きずってゆく。

「あ、あの・・・・・・」

 嫌な予感を感じたふみは震える声で日寛に尋ねる。すると日寛はふみの顔を覗き込み、厳しい声のまま言い放った。

「本来『天悦』はこの場にて与えられるもの。初めてならいざ知らず、今回はここでいいでしょう」

 明らかに怒っている口調で言い捨てると、日寛はふみを空いている場所に引きずり倒す。

「いやぁっ!おやめくださいませ、日寛さま!」

 自分が何をされるかようやく理解し、恐怖を覚えたふみは必死に抵抗する。だが、日寛はそんなふみの抵抗など物ともせず馬乗りになり、華奢な肩を押さえつけた。

「あなたが誰のものか・・・・・・他の僧侶や御女中、そしてあなた自身に自覚してもらう必要があるようですからね。怪我をしたくなければ大人しくしていることです」

 日寛は痣が付きそうなほどふみの肩を強く掴むと、強引に唇を奪う。そして前回の優しさ信じられないほどの乱暴さでふみの唇をこじ開け、口中を蹂躙しはじめた。
 蛭のようにヌメヌメと蠢く舌はふみの皓歯の裏側から頬の裏、そして逃げるふみの舌をも嬲り回す。その所為でふみの口の端から零れた唾液はふみの顎を汚し、喉へと伝っていった。くちゅくちゅとわざと立てられる下品な濡音はふみの耳を犯し、心ならずもふみを昂ぶらせてしまう。

「んんんっ・・・・・・んふっ」

 それでも御庭番の理性を振り絞り、ふみは精一杯の抗いを見せる。しかし大柄なで手練手管に長けている日寛相手では全く手も足も出なかった。
 そして口中を犯す舌に気を取られている間に着物の裾が大きくめくられ、細く引き締まったふみのふくらはぎや太腿が露わになる。それに気がついた時には既に遅く、日寛の膝はふみの足の間、かなり深くに割り入ってしまっていた。

「あなたがいけないんですよ、浅木殿」

 ようやく唇を開放した日寛が恨めしげに呟く。その表情は未だに怒りに――――――否、嫉妬に染まり、ふみを責め立てる。

「身持ちがしっかりしていれば、どんなに若く美しくても迂闊に声などかけられないもの。だけどあなたは違う・・・・・・隙がありすぎるんですよ!」

 その言葉にふみが反論しようとするが、それは耳朶に走った鋭い痛みによって遮られた。日寛がふみの耳に強く噛み付いたのである。

「痛いっ!」

 ふみは思わず激痛に呻くが、日寛はそんなふみの訴えを無視するどころか、更に自分の恨みをふみにぶつけてきた。

「これが私の矜持の痛みですよ、浅木殿。どうやらあなたは言い寄られた男をきっぱり断ることが出来ないようですので、代わりに私が『男避け』の刻印を刻んでおきましょう」

 日寛はそう言い放つと、今度はふみの首筋に唇を落とし、強く吸い上げた。耳朶の噛み傷にしろ、首筋の口吸いの痕跡にしろ、間違いなく数日は痕が残るだろう。しかもどちらも着物や髪では隠せない場所だ。

「浅木殿、今日はお覚悟の程を」

 きっぱりと言い放ったその一言に、ふみは全身に鳥肌が立つのを覚えた。



 お覚悟の程を――――――日寛のその言葉は脅しではなかった。見える場所、見えない場所関係なく日寛の歯型や口吸いの跡がふみの白い肌に付けられている。否、痛みだけならまだ耐えられる。御庭番としての厳しい訓練を受けているふみにとって、噛み傷くらいは傷のうちにも入らない。
 だが性の快楽はそうはいかなかった。男を知らぬ初さを利用するため、敢えて閨房術を学んでいないふみにとって、日寛から強引に与えられる快楽は耐え難いものだった。
 歯型を付けられると同時に柔肌を舌で弄ばれ、固く凝った乳首や敏感な脇腹、そして内腿などに絶え間なく日寛の指によって絶妙な刺激が与えられる。自分でさえ知らなかった性感帯を指がなぞる度、甘く痺れる快感が走り、ふみは甘ったるい吐息や小さな嬌声を上げてしまう。
 だがふみの身体の一番秘められた部分は一切触れられていなかった。着物の裾は太腿の付け根まではだけられ、日寛の膝もその近辺まで入り込み、ふみの脚が閉じるのを妨げているのに、肝心な部分には全く触れようとはしないのだ。
 絶え間なく重ねられる愛撫によってじんじんとした疼きが身体の芯を支配し、ふみは耐え切れずに日寛の法衣を握りしめる。

「もう、許して下さいませ。お情けを・・・・・・お願いします」

 目に涙を浮かべながら、ふみは訴える。だが日寛は非情にもふみの訴えを退けた。

「何を言っているんですか。まだまだ序の口ですよ?あなたが私のものであることを皆にしらしめるまで――――――他の奥女中のようにはしたなく嬌声を上げ、私の逸物無しではいられなくなるまで狂ってもらわないと」

 厳しい声で言い放つと、日寛はふみの帯をむしりとる。そして襦袢一枚の姿にすると胡座の上にふみをうつ伏せに押し付けた。するとふみの尻が高く掲げられた形になる。日寛はふみの襦袢をまくり上げ、尻を丸出しにする。

「他の者に隙を見せたら痛い目を見るんですよ、浅木殿」

 鋭い言葉と同時に日寛の手がふみの尻に打ち下ろされる。するとバチン!と鋭い音が大広間に響き、周囲で淫行に耽っていた者たちの視線が日寛とふみに集中した。
 だが、そんな視線にも構わず日寛の手は二度、三度とふみの尻に振り下ろされ、白磁のようなふみの尻が瞬く間に真っ赤に染まる。だがせめてもの意地なのか、それほど激しい打擲にも関わらずふみは声を上げなかった。

「流石に武家の娘だけあってなかなか頑張りますね」

 痛みに身体を震わせつつも声を上げようとしないふみに苛立ちを覚えたのか、日寛はふみの尻を叩くのを止め、その手をふみの秘所に伸ばしてきた。

「あっ!」

 ふみは思わず声を上げ腰を揺らして日寛に指を避けようとしたが、それだけでは日寛の手は防げない。日寛の指が容赦なくふみの花弁を押し広げると、たらり、と淫蜜が日寛の指を汚した。

「おや?相当痛い目に遭わせているのに、ここはこんなに濡れていますよ?もしかしていたぶられるのが好きなんですか?」

 わざとくちゅくちゅと音を立てながら、日寛はふみの花弁を嬲り、花芽を爪でひっかく。先ほどの打擲とは対象的な、繊細で丁寧な淫らな花弁への愛撫に、ふみの唇からは微かな嬌声が漏れてしまう。そんな愛撫と打擲が交互に続けられるのだ。とうとう耐え切れなくなったふみは切なげな声で日寛に許しを請い始める。

「にっ・・・・・・かん、さま。ゆる、して・・・・・・」

 拷問にも近い打擲と全てが蕩けてしまいそうな愛撫を交互に与えられ、ふみの心身は混乱に陥っていた。せめてどちらか片方であればまだ日寛の感情の嵐をやり過ごすことができるだろう。だが、両極端の刺激を与え続けられ、ふみの感覚は混乱し始めていた。痛みであるはずの打擲でさえも身体は快楽と捉え始めている。このままでは痛みでさえ性的な快楽となってしまい、御庭番として使い物にならなくなってしまう――――――だが、そんなささやかなふみの懇願も日寛は許さなかった。

「だめですよ」

 不意に日寛の指が秘所から離れ、再びふみの尻を叩く。

「ひぃっ!」

 不意打ちの打擲に、ふみは思わず叫んでしまい、その声は部屋中に響いた。その悲鳴に再び部屋の視線は日寛とふみに集中するが、日寛は構うこと無くもう一度ふみの尻を強く叩いた後、濡れ綻んだ淫らな花弁に指を伸ばす。

「だんだん叩かれることにも慣れてきたでしょう?というか、更に感じてしまっているようだ――――――お尻を叩かれながらもこんなに濡らして。でもまだまだですよ?あなたが私のことしか見れなくなるように、今日は極上の『天悦』を教えて差し上げます」

 ふみの蜜壺のとば口を指先で撫でながら、日寛は笑みを浮かべた。




UP DATE 2016.8.10

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女の嫉妬も厄介ですが、男の嫉妬は更にめんどくさいようです(-_-;)
一応ふみは他の男に言い寄られても断ろう(逃げよう)としているんですけどねぇ。それでも日寛は『言い寄られること』でさえ激おこらしいです/(^o^)\自分のことはきっちりちゃっかり棚に上げて・・・自分は浮気するけどパートナーの浮気は許さん、という男性は少ないらしいですからねぇ(^_^;)自分がしているんなら相手も大目に見ろよ、という理屈は通らないらしいwww

そんな嫉妬の鬼と化した日寛に嬲られるふみですが、無事江戸城に帰ることはできるのでしょうか・・・たぶん真希と誰かに両肩支えられて駕籠に乗るようになるんだろうなぁ(´・ω・`)

次回更新は8/17、痛みと快楽、両方を使ってふみを支配しようとする日寛の責がますます激しさを増してゆきます((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
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