「紅柊(R-15~大人向け)」
丁酉・春夏の章

五月闇の睦言・其の参~天保八年五月の新婚夫婦(★)

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 梅雨寒の五月闇が、知らず知らずのうちに熱を帯びていた。重なる息遣いが絡みあい、かすかな衣擦れの音が雨の音に交じる。
 桜色に染まった幸の火照った身体には、五三郎に付けられた紅の痕跡がいくつも散っている。まるで地面に散った躑躅のようなその痕跡は、五三郎が幸の肌に唇を寄せる度に増えていった。

「あに・・・・・・さまぁ」

 際限なく与えられる五三郎の愛撫に耐えられなくなったのか、熱に浮かされた幸が五三郎の名を呼ぶ。するとその声を掬い上げるように、五三郎が幸の唇を奪った。だが、それほど熱っぽく情を交わしていながら五三郎の逸物は幸の胎内に入り込んでいない。脈打つ逸物をこすり付け、濡れそぼった幸の花弁や尖った花芽を嬲るのだが、昂ぶらせはするものの、なかなか蜜壺に挿れようとはしないのだ。

「兄様・・・・・・もう」

 そんな生殺しの愛撫が流石に物足りなくなってきたのか、幸が五三郎に逸物を挿れてくれとせがむ。その切なげに濡れる瞳にほだされたのか、五三郎は幸の下唇を軽く舐ったあと、耳許で囁いた。

「そんなに俺のモンが欲しいのか?おめぇもこの二ヶ月ですっかり味を覚えちまったな」

 初夜の時はただ痛がるだけで情を交える余裕さえ無かったが、あれから既に二ヶ月が経過している。幸もすっかり五三郎の愛撫や逸物の大きさに慣れ、快楽さえ感じるようになっていた。
 子作りはあくまでも努めであって、快楽など感じてはいけないと教えられる武家の妻としては『はしたない』と後ろ指を指されても文句は言えない。だが、その『はしたない』ことを幸に教え込んだのは他でもない五三郎だ。物心ついた頃から幸の面倒を見てくれた五三郎の言うことを疑うなんて、幸には考えることさえ出来なかった。ただ教えられるがままに五三郎を受け入れ、そして淫らに咲きほこり始めている。
 そんな幸を愛おしそうに見つめながら、五三郎はひくつく逸物の先端を幸の蜜口に宛てがった。そして淫蜜を滴らせ、ひくついているその入口を一気に刺し貫く。

「はあうっ!」

 予想以上の激しい衝撃に幸は思わず大きな声を上げてしまう。だが、その声以上に部屋に響いたのはぐちゅり、と淫らに響いた濡音だった。

「さっきよりも濡れてるぞ、幸。それだけじゃない。こんなにきつく締め付けてきやがって・・・・・・」

 五三郎は激しく腰を打ちつけながら言葉で幸を犯してゆく。そうでもしなければあっという間に果ててしまうからだ。抱いている女を孕ませたいという雄の本能と、幸にも気を遣らせてから自分も果てたいという夫の理性とのせめぎあいとの葛藤は辛いものがあったが、その葛藤のおかげで五三郎は幸の身体を思う存分堪能しているとも言える。

「本当におめぇはいい声で啼くな、幸。俺しか男を知らねぇなんて思えねぇ」

 この瞬間だけ見ると、幾人もの男の精を吸ったような艶を、幸の肌は孕んでいる。だが幸の身体は最初から二ヶ月かけて五三郎が育て上げたものだ。固かった果実が熟れて旨さを増してゆくように、幸の身体も日一日とその旨さを増してゆく。これからその旨さは更に増してゆくだろう。

(米の飯と女房は飽きないって言っていたのは、誰だっけ)

 あれは酒の席での戯れ言だったように思う。娼妓と女房、どちらが良いかという話になって誰かがそういったのだ。たまのごちそうも悪くないが、たまに食べるから良いのであって毎日では飽きると――――――幸を妻とした今、確かにそれは正しいと思う。

「幸、惚れている」

 幸の蜜壺を穿ちながら五三郎は囁く。その囁きに幸はただひたすら頷き、五三郎にしがみついた。その瞬間、幸の身体が激しく震える。どうやらかなり本格的に気を遣ってしまったらしく、蜜壺も激しく五三郎の逸物を締め付けてきた。

「うっ、まずい」

 このまま幸の胎内で精を放ってしまっては免許皆伝前に子供が出来てしまう。それではまずいと五三郎は慌てて蜜壷から逸物を引っこ抜く。その瞬間、逸物の先端から勢い良く白濁が飛び散り、幸の腹から濡れたひこばえ、そしてはしたなく広げられた太腿を汚した。

「お疲れさん」

 五三郎は幸を労うと、枕元にあるみす紙を手に取り、幸の肌に飛び散った白濁を拭き取り始める。

「あ、兄様!いつもそれはやめてくださいって・・・・・・自分でできますってば」

 まるで幼児の粗相の手入れをするような五三郎の行為に、幸は恥じらう。だがこの恥じらいも五三郎の楽しみの一つだ。羞恥に身悶える幸をからかうように、五三郎は幸の身体を清めてゆく。だがただ清めるだけではない。腹や太腿などに飛び散った白濁を拭きとると、今度は淫蜜に一番濡れている、一番淫らな場所だ。

「気にするなって。ほら、もっと脚を広げて。手で隠しちまったら拭き取れねぇじゃねぇか」

 五三郎は半ば強引に幸の両脚を広げると、繊細な部分を傷つけぬように丁寧に拭き取り始める。だが、その丁寧さがむしろ幸の欲望をかき乱すのだ。みす紙越しに感じる五三郎の指はもどかしく、花芽をみす紙で擦り上げられるとじんじんとむず痒い快感が腰回りに広がってゆく。かと言って直接触れられているわけではないので、気を遣る程の快楽は得られないのだ。焦れったさだけが積もり積もってゆく『後始末』に、幸の腰が思わず跳ねる。

「何だ、幸?まだ足りねぇのか?」

 蜜壺の縁をみす紙でなぞりながら、五三郎が意地悪く尋ねる。明らかに判ってやっているのだ。そんな五三郎を悔しげに見つめながら、幸は小さく頷く。

「素直で宜しい。じゃあここの始末が終わってからな」

 五三郎は意味深な笑みを浮かべると、指にみす紙を巻き付け、幸の蜜壺を刳り始めた。みす紙で包まれているとはいえ五三郎の指はかなり節くれだっている。その刺激に耐えきれず幸の唇からは甘い声が漏れ、蜜壷からは新たな蜜が滴り落ちる。

「おいおい、これじゃあいつまでたっても始末が終わらねぇぞ。本当におめぇの身体は俺好みの、いやらしい身体になっちまったな」

 五三郎は一旦指を抜くと、すっかり濡れて役に立たなくなってしまったみす紙を外す。そして人差し指、中指、薬指の三本を揃えると、すっかり蕩けきった蜜口へ三本一気に滑りこませた。

「ああんっ!ひ、ひどい、兄様ぁ!」

 幸が悲鳴を上げるが、その悲鳴には多分に甘ったるさが含まれている。その甘さに気を良くした五三郎は更に幸を激しく弄び始めた。





 明烏の声に五三郎は目覚めた。いつの間にか眠っていたらしいが、それほど長く眠っていたわけではなさそうだ。

「兄様・・・・・・お早うございます」

 五三郎が起きたことに気がついたらしい幸が声をかけてくる。

「おう、幸。起こしちまったか?済まねぇな」

 五三郎は優しく語りかけると、幸のほつれ毛を指に絡めた。昨日の情事ですっかり乱れてしまった髪はちょっとやそっとじゃ直りそうもない。

「だいぶ、乱れちまったな」

「ですね・・・・・・皆が来る前に髪の毛を洗って整えないと」

 流石に乱れた髪で弟子の前に出て行く訳にはいかない。最低限の身だしなみをと、起き上がった幸の腰を、五三郎は抱き寄せた。

「あ、兄様?」

 再び布団に転がされた幸は驚き、五三郎へ振り向く。すると五三郎は幸の細い顎を掴み、自分の方へ顔を近づけさせた。

「どうせみんなが来るのは四ツ半位だろ。それまでに何とかすりゃあいいさ。もし間に合わなくても表に出なけりゃいいだけだ」

 まだ起きる気はさらさら無いらしい。幸の顎を掴んだまま五三郎は幸の唇を深く吸った。その吸い方はもう一戦挑もうと言う気配がありありと現れている。

「・・・・・・っ、もう!兄様、いい加減にしてくださいませ!昨日あれだけ人を翻弄しておいて」

 流石に勘弁して欲しいと幸は五三郎を引き剥がそうとするが、そんな抵抗も五三郎によって無に帰される。更に強く抱きしめられると、幸の耳に五三郎の囁きが吹きこまれた。

「あの程度で音を上げてちゃ山田浅右衛門の妻は務まらねぇぜ。それに婿養子の身じゃ娼妓を抱くのも遠慮しないといけねぇし」

 つまり、自分の欲求は幸一人に背負い込んでもらう――――――そんな五三郎の、ありがたくない決意に、幸は青ざめた。

「冗談よしてください。兄様の面倒を一人でなんて絶対に無理です!吉原や深川、品川と手分けしてもらわないとこっちの身体が・・・・・・きゃあっ!」

「そんなこと言うなよ。俺はオメェ一筋なんだからよ」

 既に五三郎の手は幸の乳房を弄り、膝は幸の脚を割っている。道場の朝が始まるまであと少し、五三郎はその僅かな時間でさえ惜しむように幸を貪り始めた。



UP DATE 2016.5.18

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・・・どうやら山田家の婿養子は剣術の稽古に子作りと、いろいろな面において熱心なようです(^_^;)しかし、それに付き合わされる幸は溜まったもんじゃない(-_-;)雨が振り、有り余ってしまった体力を全部ぶつけられても困りますよねぇ・・・しかも幸は幸で色々お仕事があるわけですから(>_<)五三郎の着物の新調は書かせていただきましたが、製薬やら各所へのお付き合い、その他諸々忙しいのです(-_-;)なので五三郎一人の相手をしているわけにも行かないのですが・・・どうも五三郎は新妻に構ってもらいたいようです(^_^;)

来週は『横浜芸妓とヒモ男』、こちらもお裁縫の話にしたいんですけどねぇ、仙吉の(え゛)。そして来月の『紅柊』は素月園&お涼のなれそめ絡みの話を書きたいと思っております。目指せ、劇エロ(๑•̀ㅂ•́)و✧
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