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見返り美人

見返り美人外伝・櫻花の背徳5(★)

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 満天の星空の下、薄紅色の櫻花が散り染める。ひらひらと風と戯れる花弁は月光に煌めき、地上に輝く星屑の如きだ。だがそんな美しい光景さえ、部屋の中の二人の興味を惹くことは出来なかった。

 情熱的な、しかし不器用な接吻を繰り返しつつ、レンとリンは寝台に転がる。まるで二匹の子猫がじゃれ合うようなその姿はいつもの夜と変わらないものだったが、これから始めようとしていることは今までの夜とは全く違うものだ。
 姉弟としてではなく、男と女として共に寝る褥は貧民街の寝床とは違い暖かく柔らかい。海斗の家に住むようになって三ヶ月、最近ではそのありがたみを感じることさえ少なくなっていたが、やはりありがたいものだとレンは感謝する。

 「リン。愛してる」

 聞きかじった愛の言葉を囁きながらレンはリンの唇や頬に唇を落としてゆく。だが緊張が勝ってしまい、それより先にはなかなか進むことが出来ない。リンの柔肌に触れたいという欲望は勿論ある。だがどのような段取りで触れれば良いのか考えあぐねてしまうのだ。

「・・・・・・レンはいつもそうだよね。行動する前に考え込んじゃって動けなくなるの」

 接吻からなかなか先に進めないレンに業を煮やしたのか、リンは少し乱暴にレンの手を取ると、自らの懐の内側にレンの手を引っ張りこむ。その瞬間、レンの掌に小振りだが、明らかに男とは違う柔らかな膨らみがすっぽりと収まった。

「リン・・・・・・お前、こんなに胸あったっけ?」

 掠れた声で囁きながら、レンはリンの乳房を撫でさする。柔らかで、しかし跳ね返してくる弾力もあるリンの乳房は、小振りとはいえレンの想像よりも大きなものだった。

(やっぱり俺達は、男と女・・・・・・違うものなんだな)

 子供の頃の二人は、親から見ても区別がつかないほどそっくりだった。それ故リンは髪に大きな髪飾りを付け、見た目からの区別を付けられるようしていた。
 だが今はそんな必要が無いほど、二人の体格には大きな違いが生じていた。女性らしく柔らかなくびれができつつあるリン同様、レンの背もここ最近ぐんぐん伸び、その差はひと目ではっきり判るほど開いている。リンの名を囁く声もここ最近かすれ気味で、じきに変声を迎えるだろうと言われている。

 そしてその体格差は、ある心配事をレンにもたらしていた。愛らしく、美しくなってゆくリンを、他の男が放っておくはずが無いだろうという心配である。流しの歌唄いとして門付けをしていた頃も、その明るい性格と相まってリンはよく男に声をかけられていた。これからはそんな事が更に増えていくだろう。
 リンのためには別の男と結婚させるべきだと思うが、レンには耐えられない。そんな自分勝手な欲望をリンに押し付けてはならないと、今まで己の気持ちを押さえ込んでいたが、今夜はそれを抑えなくても良いのだ。
 レンはリンの首筋や頬、そして唇を啄みながらその滑らかな肌をただひたすら撫で続ける。リンを昂ぶらせ、初めての情交を苦しませずにさせてやろうという余裕など全く無い。そんなレンを見かねたのか、リンは下から見上げつつ口を開いた。

「ねぇ、レン。くすぐったいてば。いつまでおっぱい触っているつもり?」

 ただ胸元を撫でるだけ、それ以上なかなか進もうとしないレンを、リンは促す。

「あ、ごめん」

 レンはすぐさま謝るが、どうすればリンを感じさせることができるのか皆目判らない。どうしたらリンを満足させてやれるだろうか――――――一瞬考えあぐねたその時である。リンの手がレンの股間に伸びてきて服の上から触れてきたのだ。

「お、おいリン!」

 思わぬ『攻撃』に出てきたリンに動揺し、レンは慌てて腰を引こうとする。だがリンの手はそのまま服越しにレンの逸物を撫でさすり続けた。ただでさえ痛いほど張り詰めているレンの逸物である。このままでは精を放ってしまいかねない。

「ま、待てよリン。このままじゃ俺だけいっちまうから」

 泣きべそ半分の情けない声でレンは訴えるが、リンはお構いなしにレンの股間を撫で続ける。

「それでもいいじゃん。一度しか出来ないなんてこと無いでしょ、レン?すっかり枯れ果てたジジイじゃあるまいし」

 リンはレンを挑発しつつ、己の太腿をレンの脚の間に割り込ませてきた。大胆すぎるこの仕草をリンはいつの間に覚えたのだろうか。一瞬そんな疑問を抱いたレンだったが、それさえもリンから繰り出される刺激に霧散する。

「・・・・・・何でこんなやり方を知っているのか?って顔してるね、レン」

 レンを見上げながらリンは妖艶に笑う。いつもの太陽のような笑みとは違う、女の色香さえ滲ませるその笑みにレンは吸い込まれる。

「教えてくれたのはめーちゃんだよ。というかめーちゃんのやり方を見て覚えた、って方が正しいのか」

 いつの間にかレンの逸物から手を離していたリンは、レンの首筋に抱きつき頬をすり寄せる。

「どう取り繕ったってあたし達は鮫ヶ橋の人間だよ。姉弟でこんなことだってしちゃうし、姉分が妹分に男の籠絡の仕方を教えるし・・・・・・さっきもね」

 そう言いながらリンはレンの首筋に抱きついたまま身体を反転させ、レンの上に跨った。

「あたしが横で寝ていたから海斗は遠慮してたんだけど、めーちゃんがわざと煽って海斗をその気にさせたんだよね。こうやって跨って」

 リンはレンの上に馬乗りになったままレンのズボンを緩め、逸物を引きずりだした。リンの小さな手に包まれた逸物は強く脈打ち、リンの掌の中で跳びはねるようだ。

「・・・・・・まるで海斗がめーちゃんに抱かれているみたいだったよ。女の子みたいな声あげちゃってさ。レンにも同じこと、してあげようか?」

 無邪気な物言いだったが、その内容はとんでもないものである。驚きにレンガ目を見開いている間にリンは自らの寝間着の裾を絡げ、下半身を露わにした。月明かりにさえはっきり見えるその細い腿の内側には煌めく愛液が流れ落ち、膝近くまで濡らしている。

「リン、無理すんなよ。お前だって初めてなんだろ?」

「レンだって初めてでしょ?それにあたしのほうが『お姉ちゃん』なんだからね。双子だけど」

 レンを押さえつけながら、リンは濡れそぼったとば口にレンの先端を宛てがった。破瓜の痛みに関しては芽衣子を始め近所の先輩達から聞いている。その痛みに耐えなければレンと『夫婦』にはなれないのだ。リンは覚悟を決め、そのまま腰を落とした。

「ああっ!!!」

 覚悟を決めていたとはいえ、股間から脳天に突き刺さる、身体を割かれるような激痛にリンは叫び、全身を硬直させた。

「おい、リン!」

 激痛に顔を歪め、涙を滲ませているリンに動揺したレンは逸物を引き抜こうとするが、リンに跨がられているため、それも叶わない。

「に、逃げちゃ・・・・・・だめだ、よ、レン。あたしたち・・・・・・夫婦に、なるんでしょ?」

 激痛に耐えながらもリンは出来る限り笑顔を見せようとする。その痛々しい笑みにレンも覚悟を決めた。

「ああ。俺達は・・・・・・夫婦になるんだ。許されない、禁断の関係だけど」

 リンを見上げつつレンは腰を突き上げ始めた。その度にリンは苦しげに呻くが、これを我慢してもらわないことにはいつまでもこのままだ。

「もう少し我慢してろよ、リン。すぐに・・・・・・果てちまいそうだから」

 そういった次の瞬間、レンはリンの膣内に精を解き放った。初めての経験とはいえあまりにも呆気なさすぎる。だがリンはレンの上に跨ったまま、逸物を引き抜こうとはしなかった。

「ねぇ、レン。自分のだから判るよね?まだ大きいままなのって」

 リンの指摘にレンは気がつく。確かに精を放った後にも拘らず、レンの逸物はまだ力を漲らせたままである。

「このまま、しちゃおっか?」

 すると今度はリンが腰を動かし始めた。ぎこちなく、たどたどしい動きだったがそれでもレンにとっては強い刺激だ。

「リン・・・・・・無茶、するなよ」

「してないよ・・・・・・っていうのはちょっと見栄の張り過ぎかな?」

 痛みに耐えつつ、リンが応える。

「でもね、レンを他の人に渡さないためにはこうするしか無いでしょ?レンはずっと・・・・・・あたしだけのレン、なんだから」

 レンの顔の横に手をつき、その顔を覗き込みながらリンは笑う。

「学校に行っても、お仕事するようになっても、他の子に浮気をしたら許さないからね」

「そんなもん、するわけねぇだろ。その言葉、そのままお前に返すよ」

 レンは僅かに上体を持ち上げ、リンの鼻先に接吻をした。

「社交界のパーティにしょっちゅう出ているような貴族にろくな奴はいねぇからな。そんな奴に引っかかるなよ、リン」

 学校に通いだせばリンに付き添ってパーティに出る余裕など皆無である。きっと芽衣子や海斗がそれなりに睨みを効かせてくれるだろうが、どこに落とし穴があるか判らない。

「リンは・・・・・・ずっと俺のものだからな」

 その瞬間、リンはクスッ、と笑う。

「何がおかしいんだよ」

「おんなじような事をね、海斗がめーちゃんに対して言ってた。そして海斗と同じくらいレンも一人に執着しやすいかもって・・・・・・さすが警察官、人を見る目は確かだよね、海斗」

「そんな事を、あいつも言っていたのか」

 変なところで似通っているところを指摘され、レンの頬が真っ赤になる。

「でも嬉しいよ。あたしが好きなのは・・・・・・レンだけだよ」

 大人の色気とはまた違う、初々しい色香が滲むリンの囁きに、昂ぶりを自覚したレンは更にリンを強く抱きしめ、身体を密着させた。




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拙いながらも、リンとレンの姉弟は『男と女』として結ばれました。決して許される関係ではありませんが、これから道を分かつかもしれない姉弟にとって、互いと繋がり続けるためには必要だったのでしょう。色気はほぼ皆無ですが、いつまでも繋がっていたいという二人の必死さ、ひたむきさが少しでも伝わればなぁ・・・と思います(*^_^*)

次回更新は3/29、『櫻花の背徳』最終話となります(*^_^*)
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