「VOCALOID小説」
見返り美人

見返り美人11~眠る時ひとりにしないで

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 西洋ランプの柔らかな灯りに照らされた廊下を寄り添いながら歩き、海斗は芽衣子を自分の寝室へと誘う。

「がくぽの家よりは狭いだろうけど」

 そう謙遜しながら開いた扉の向こう側には、二十畳ほどの大部屋が広がっていた。舶来品と思われる大きな寝台とサイドテーブルだけの、本当に寝るためだけの部屋らしい。

「・・・・・・鮫ヶ橋の部屋の3倍はあるじゃない。仕事だったとはいえよく耐えられたわね、あんな狭い場所で」

「あそこじゃなければめーちゃんに逢えなかったからね」

 おどけながら海斗は芽衣子の腰を抱き、中へと促した。近づくと更にその大きさを感じる寝台は、大人二、三人が余裕で眠ることが出来そうだ。

「こんな大きな寝台で一人で寝てるの?」

 もしかして誰かを連れ込んでいるのでは?と芽衣子は軽く疑いの眼差しで海斗を見たが、海斗は苦笑いをしながら芽衣子の腰から手を離し、寝台に座る。

「うん。残念ながら今までは誰もここに連れ込むこと無く、一人寂しくここで寝ていたけどね」

 海斗は自分の隣に芽衣子を座らせると、その耳許で囁いた。

「今日からめーちゃんがここで俺と一緒に寝てくれるんだよね?」

「・・・・・・馬鹿」

 恥ずかしそうに頬を赤らめ、芽衣子は海斗を睨みつけるが、その視線に凄みは全く感じられない。

「うん。俺、めーちゃん馬鹿だから」

 海斗は芽衣子の唇を奪い、舌でその柔らかな唇を割った。そしてすぐに芽衣子の舌を探り当てると海斗は己の舌を絡め、軽く吸う。
 以前の接吻の時は身体を強張らせ、抵抗を見せた芽衣子だったが、今宵は全てを海斗に委ね、海斗のなすがままに受け入れている。二つの舌は絡み合いそのまま、一つに溶けてしまうのではと思われるほど熱く、長い接吻が続く。

「めーちゃん・・・・・・愛してる」

 長い接吻から芽衣子を開放しながら海斗が笑みを浮かべる。唾液で濡れた唇をぺろりと舐めると、海斗は芽衣子を抱きかかえるように背中に手を回し、芽衣子の帯を緩めた。

「予め向こうで着替えてきて正解だったね。あのドレスじゃ脱がせるのも大変だ」

「チョッ、海斗・・・・・・背広が皺になるわよ」

 宴の姿そのままで芽衣子を抱こうとする海斗に芽衣子が忠告するが、海斗はお構いなしに芽衣子の帯をするりと解いてしまった。

「別に構わないよ。暫く着る機会なんて無いから」

 海斗は芽衣子の帯をナイトテーブルに置くと、その上に自らの上着を脱ぎ捨て、放り投げる。そして芽衣子を寝台の上に転がすと、まるで獲物に襲いかかる獣のように芽衣子の上にのしかかった。

「君のいない一ヶ月は・・・・・・本当に長かったんだから」

 今にも泣き出しそうな声で切なく呟くと、海斗は芽衣子を貪り始めた。芽衣子の生死さえ判らぬ状況での一ヶ月は地獄の辛さだったのだろう。餓えを満たすが如く、海斗は芽衣子の唇や頬、そして耳朶から首筋を唇と舌で愛撫し続ける。わざと強く鳴らす接吻の音に耳朶を舐る淫らな濡音、首筋を軽く噛む甘い痛み――――――それらは鮫ヶ橋の情事では無かったものだ。それが鮫ヶ橋の局見世と自宅の寝室という場所の違いだからなのか、それとも仕事と私事の違いから来るのかは判らない。だが、海斗が本気で芽衣子を慈しみ、昂ぶらせようとしているのは芽衣子にも判った。

「あれ?めーちゃん、少し胸大きくなった?」

 いつの間にか芽衣子の胸許に手を滑らせていた海斗が尋ねる。

「そ、そんなの知らないっ・・・・・・てば」

 上がり始めた息を抑えつけつつ芽衣子が反論する。

「一ヶ月とはいえ、がくぽの家で暮らしていたからかな。というか、ルカさんが世話好きだから絶対にやせ細っためーちゃんを放っておかないだろうし」

 海斗の指摘に芽衣子は苦笑いを浮かべることしか出来なかった。確かにルカは自分の屋敷に芽衣子を引きずり込んだ後、良人のがくぽそっちのけで芽衣子の世話に明け暮れていたのだ。その事に関して文句ひとついうこと無く鷹揚に構えていたがくぽは、勿論妻の性格を熟知しているのだろう。

「後で・・・・・・がくぽさんに謝らないと」

「それは大丈夫でしょう。良人にあまりにも世話を焼きすぎて困る、ってあいつも言っていたことだし」

 そう言いながら、海斗は芽衣子の乳房を掬いあげるようにやわやわと弄び始めた。いつになく熱を帯びた芽衣子の乳房は蕩けそうに柔らかいくせに、海斗の手を跳ね返す弾力も持ち合わせている。そんな芽衣子の柔肌を堪能しながら、海斗は膨らみの頂を口に含む。

「ふあっ」

 その瞬間、熱っぽい吐息が芽衣子の唇から溢れた。明らかに嬌声と判るその声に、海斗は固く尖った頂を軽く吸い上げ、舌先で転がしてゆく。その愛撫一つ一つに芽衣子は反応し、頤を仰け反らせ始めた。
 鮫ヶ橋での情事の時より、明らかに反応が良い芽衣子だが、意外と奥手な芽衣子の事だ。あまり事を急いては以前のように警戒心を抱かせてしまうだろう。海斗は己のシャツのボタンを外しつつ芽衣子の様子を慎重に探る。

「めーちゃん、大丈夫?」

 さり気なく肌を密着させ、口の中に凝った乳首を含んだまま海斗は芽衣子に尋ねる。その刺激に煽られたのか、頬を紅潮させつつ芽衣子が訴えた。

「来て、海斗・・・・・・海斗が、欲しいの」

 芽衣子の口から出た、大胆な言葉に一瞬驚きの表情を露わにした海斗だったが、すぐに不敵な笑みを浮かべる。

「そんな大胆な事を言ってくれちゃって・・・・・・俺、鮫ヶ橋の時みたいに手加減してあげられないよ」

 海斗は一旦乳首から唇を離すと、再び芽衣子の唇を貪り始めた。その間にズボンを手早く脱ぎ去り、ナイトテーブルに放り投げる。
 そして僅かばかり緩み始めた芽衣子の膝を少し強引に自らの膝で割ると、するりと右手を太腿の奥へと滑りこませた。

「もう、こんなに・・・・・・すごく濡れているね、めーちゃん」

 そこは海斗の愛撫を直接受ける前にも拘らず、すっかり濡れそぼっていた。これならそのまま海斗を受け入れることができるだろう。しかし海斗はそうはせず、ぐっしょりと濡れた芽衣子の花弁の縁をそっと撫で始めた。繊細な場所に傷をつけぬよう慎重に、しかし確実に芽衣子を煽り、昂ぶらせようとする海斗の指に濡れた花弁はふるふると微かに震え始める。そしてその震えは徐々に大きなうねりとなり、芽衣子の体全体に行き渡る。

「あうっ・・・ふぅ、じ、焦らさないで」

 海斗の指が往復するたび、芽衣子は身体をぴくんと震わせ海斗に訴える。だが、海斗はまだ嬲り足りないとでも言うが如く芽衣子の花弁を弄び、花弁の上部に顔をのぞかせている花芽をつるり、と撫で上げた。

「はぁんっ!そこ、だめぇ!感じちゃうってばぁ!もう、許して・・・・・・っ」

 海斗の腕に縋り付き、強すぎる快楽を訴える芽衣子を海斗は愛おしげに見つめる。以前は自らを押し殺し、反応も控えめだった芽衣子がここまで自分を求めていてくれる――――――その確信が、海斗の芯に熱を集めてゆく。

「じゃあ、めーちゃんのお望みのままに」

 海斗は熱り立った逸物を、蕩けきった芽衣子の蜜口に宛てがった。そして一気に突き入れると、激しく腰を動かし始める。

「かいとぉ・・・・・・あふっ、そんなに激しく、されちゃったら・・・・・・壊れちゃうってばぁ・・・・・・ああんっ!」

 海斗の激しい突き上げに息も絶え絶えになりつつ、芽衣子は海斗に快楽を訴え始めた。その嬌声と比例するように、芽衣子の蜜壺も海斗の逸物をきゅうきゅうと締め付け、海斗を貪ろうとする。今まで何度も鮫ヶ橋で芽衣子を抱いてきたが、ここまで激しい反応は初めてだ。その感度の良さ、そして逸物を締め付ける刺激に海斗は瞬く間に高みに押し上げられる。

「もうちょっと・・・・・・我慢しようと思ってたけど、耐えきれないや。ごめん、めーちゃん」

 芽衣子をいかせる前に自分が果ててしまう事を詫び、海斗は芽衣子の膣内に熱い白濁を解き放った。だが、滾る欲望の塊を吐き出した後でも海斗の逸物は萎える事はなく、むしろ芽衣子の膣内で更に硬度を増してゆく。。

「か、海斗?」

 てっきり一旦終わるのかと思っていた芽衣子は、萎える様子を見せない海斗に戸惑いを覚える。

「・・・・・・どうやら、俺の身体はまだまだめーちゃんが欲しいみたい。下手したら今夜は眠らせてあげられないかも」

 冗談とも本気とも付かない一言を芽衣子に告げると、海斗は再び動き出す。そんな海斗の情熱に煽られ、芽衣子も瞬く間に快楽の波に溺れていった。



 ひと月ぶりの情事は、二人を燃え上がらせた。決して長過ぎる期間ではないが、二度と相手に会えないかもしれないと悲嘆にくれていた一ヶ月だったためかもしれない。海斗が三度目の精を芽衣子の中に放った後、二人は生まれたままの姿で互いを抱きしめる。

「取り敢えず・・・・・・桜の季節にごく内輪だけの祝言をあげようか」

 芽衣子を抱きしめたまま海斗がポツリと呟く。

「届けじゃなくて、祝言?大丈夫なの、そんなに早くて」

 桜の季節といえばあと二ヶ月ほどだ。そんなの早くては準備もままならないだろうと芽衣子は心配する。だが海斗は大丈夫だからと、笑顔を見せた。

「家族だけの、ごくごく身内のものだよ。本格的な披露宴は神威家と青音家の都合もあるし、すぐにとはいかないけどね」

 庶子とはいえ海斗は大蔵次官の息子であるし、神威家は由緒正しい軍人の家柄である。更に芽衣子は絶家になったとはいえ侯爵であった咲音家の血筋を引く娘である。それなりの『格』を伴った披露宴が必要となるだろう。だが、そちらは後でも構わないと海斗は芽衣子に告げる。

「何だったら子供の一人くらい産んだ後でもいいんじゃないかな」

「馬鹿っ!そんな恥ずかしいことできるわけ無いでしょ!」

 いくら最低辺の生活を送っていたとはいえ、芽衣子にだって矜持はある。流石に子連れで祝言を挙げるのは問題だと海斗に食って掛かるが、海斗は平然としている。

「俺は気にしないよ。仕事が仕事だからいつ命を落としても・・・・・・あっ、そういえばめーちゃん、警察官は嫌いだって」

 不意に思い出したくないことを思い出してしまった海斗は、顔を青ざめさせる。だが芽衣子は慈母の微笑みで海斗を見つめ、口を開いた。

「・・・・・・大嫌いよ。うそつき警官なんて。でも許してもらいたいんなら」

 そう言いながら芽衣子は海斗の首に腕を回し、その瞳をじっと見つめる。

「仕事が無い時は、眠る時ひとりにしないで――――――それが私を騙した見返りよ」

 海斗を突き放したあの日から一ヶ月、芽衣子は一人寝の寂しさを思い知らされた。あの寂しさを味わうのは二度とごめんだわ、と芽衣子は恥ずかしそうに海斗に訴える。

「勿論、喜んで。絶対にめーちゃんを一人になんてさせないから」

 愛しい女の一言は、睦言にしかならないらしい――――――逸物に力を漲らせた海斗は、隣に横たわっている芽衣子を強く抱きしめ唇を貪る。そして湧き上がった欲望のまま、二人は再び互いを求め始めた。





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当初思っていた以上に続いてしまった『見返り美人』、今回にて本編最終話となりますヽ(=´▽`=)ノてか、エロしかありませんので実質おまけ的な位置づけではありますが(^_^;)

紆余曲折を経て結ばれた二人ですが、この後届け出を出して、祝言を迎えることとなります。ただ、『桜の季節』とは言っても話の展開上ソメイヨシノではなく彼岸桜の咲く頃になりますが・・・。
実は番外編でレンリンR-18ものをやろうと目論んでいます。ええ、がっつり近親相姦もので(^_^;)その際の事件をカイメイの祝言にて起こしてしまおうと・・・どこまでも海斗の邪魔をするリンだったりしますwww詳細は来週から始める予定の本編にて。

改めて『見返り美人』にお付き合い頂きありがとうございましたm(_ _)m番外編、そして次回作(まだ何も考えてない^^;)も頑張ります(๑•̀ㅂ•́)و✧
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