「紅柊(R-15~大人向け)」
丙申・秋冬の章

背徳の寺・其の貳~天保七年十一月の隠密捜査(★)

 ←ボカロ小説 聖龍協奏曲~奏国物語外伝 颯月宮決戦1 →烏のまかない処~其の二百二十九・雪見だいふくモンブラン味
 雑司が谷・感応寺――――――それはかなり大きな寺院だった。何せお美代の方の実父・日哲が住職で、将軍家第三の菩提寺を狙っている寺である。檀家は大奥女中を中心に旗本や御家人、大名などの女中など数多く、布施からくる資金も潤沢だ。そんな感応寺の庭で僧侶・日寛は庭掃除をしていた。

「お~い、日寛!そんなところにいたのか!」

 あちらこちら探していたのか、先輩の日笙が息を切らせながら日寛に声をかける。

「掃除なんて後だ、後!お美代の方様のところのお女中がいらっしゃった。『ご接待』が始まるぞ。何せ早い物順だ、遅れたら年増ばかりが残るんだから」

「はぁ、またいらっしゃったんですか。本当に好きですねぇ」

 小馬鹿にしたような笑みを浮かべつつ、日寛は掃除の手を止めた。

「それを言うなって。そもそもお女中達の目的は『天悦』だからな。むしゃぶりついたら雷がなるまで離さないのはすっぽんそのものだ――――――説法なんて聞く女なんかいやしない」

 日笙の下卑た笑いに日寛も同調し、深く頷いた。



 日寛の実家は五百石取りの旗本である。そこの妾腹の次男として生まれた日寛だが、その生い立ちのせいか、元々生まれ持った性格なのか、とにかくやんちゃだった。
 子供の頃から喧嘩ばかり、長じると不良仲間とつるんで悪所に出入りし始めるようになったのだが、それ父親に咎められ、勘当同然に智泉院に放り込まれたのである。
 だが日寛の父親にとって誤算だったのは、その寺は日寛にとって反省の場ではなく、極楽そのものの場所ということだった。本来の身分の日寛ならば指一本触れられぬ高級女官達が連日智泉院にやってきて、その熟れた肢体を自ら開くのである。その相手をするのは日寛達若い美僧たちだ。
 こちらから金を払うどころか、向こうが『お布施』と称して金を積み、日寛達を求める姿に、最初は夢中になったものである。
 だがそれも最初だけだった。感応寺に移り、その生活にも慣れてくると多少の飽きが出てくる。何も苦労しなくても向こうから女がやってくるし、むしゃぶりついてくるのだ。努力もせずに手に入るものなど、すぐに飽きてしまうものである。

(かと言って相手をしなけりゃお布施も渋られるだろうし・・・・・・これも務めと割り切るしかないな)

 やっていることは陰間と変わらない。ただ尻を売らないだけマシなのかもしれないが、自分の好みの女を手に入れることは極めて難しいだろう。

(ま、僧侶でありながら女とヤれるだけいいさ。普通ならこっちが先輩僧侶にケツを掘られているところだし)

 日寛は割りきって日笙の後に続く。するとあるひと部屋から明らかにそれをとわかる女の甲高い声が聞こえてきた。

「おやまぁ、今日のお局様はまた良く啼かれるようで」

 その声を聞くなり、日寛は鼻で笑う。

「確かにひどいなありゃ。よっぽど鬱憤が溜まっていたのか、単なる欲求不満なのか。間違いなく今日は搾り取られるな」

 日笙は苦笑いを浮かべつつ、襖を開く。すると二人の目の前に色の洪水が現れた。



 紅、鬱金、漆黒に萌黄――――――それは脱ぎ捨てられた奥女中達の打掛であった。几帳面にたたんでいるものもあるが、殆どはだらしなく広げられたままだ。そしてそれ以上にだらしなく曝け出されているのは、あられもない襦袢姿の奥女中たちであった。
 乳房をさらけ出し、濡れそぼった秘め所も露わにしながら若い僧侶に抱きつく者。若い僧侶のいきり立った逸物に頬ずりし、 紅が剥げた唇で接吻を繰り返す者。そして美僧に跨がり、自ら激しく腰を振る者――――――俗の極みがそこにはある。
 毎度毎度よく飽きないものだ――――――そう思いつつ広間を二人で見回していると、あぶれた奥女中らが日寛達に近寄ってきた。

「日笙様!日寛様!どうか、どうか妾にもお情けを!」

「あら、妾が先ですわ!どうか天悦を妾にも!」

 三、四人の女達が日寛らの足にすがりつく。どの女も涎を垂らしそうな、締りのない顔で二人を見上げていた。それを見下ろしつつ、日笙は口を開く。

「承知いたしました。では嵯峨様と須摩様は日寛めが、明石様と坂城様は拙僧が御相手いたしましょう」

 日笙は素早く、若い奥女中を選び、年増を日寛に押し付ける。その割り振りに不満を覚えた日寛だったが、先輩である日には逆らえない。日寛は作り笑顔を嵯峨と須摩と呼ばれた奥女中に向け、語りかけた。

「では、早速天悦を」

 日寛は二人の手を引きながら空いている場所へと移動する。そして二人を座らせると不意に表情を変えた。

「では自ら着物を脱いでいただきましょう。拙僧の珍宝に触れるのはその後――――――自らを嬲るのもなりません。さぁ、早く!」

 すると二人の奥女中は我先にと打掛を脱ぎ捨て、帯を解き始めた。それを見つめつつ日寛はどこまでも冷ややかだった。

(僧侶など、奥女中に比べたら下賤な者のはずなのに、その命令を喜々として受け入れるとは・・・・・・欲とは恐ろしいものよ)

 出家する前の日寛も彼女らとそう変わらなかっただけに、過去の自分を見ているようなおぞましを感じずにはいられなかった。まるで盛りのついた猫のように相手を求め、精も根も尽き果てるまで交わり続けなければ肉体も、精神も鎮まらないのだ。
 日寛も出家し、智泉院や感応寺で連日奥女中たちの相手をし続けるまでは同じだった。だが、快楽も過ぎれば苦痛である。たまには一人寝がしたいと思う時もあるが、今の日寛にそれは許されないのだ。
 ならば、せめて精神だけでも満足させてもらわねば、と奥女中らを相手にする時の日寛は居丈高になるのだが、今まで誰一人文句を言ってきた者はいなかった。

「日寛様、お待たせいたしました」

 襦袢を肩まで脱ぎ、胸の谷間の半分を強調するように日寛ににじり寄ってきた嵯峨が上目遣いに日寛を見つめる。

「早くお情けを・・・・・・天悦をくださいませ!」

 こちらはむっちりとした太腿を付け根まであらわに襦袢の裾を肌蹴だ須摩だ。どちらも日寛より十歳は年上だろう。白粉で隠しても肌の衰えは隠し切れない。だがそれでも――――――否、それ故というべきなのか、性欲は若い娘より遥かに強い。僧侶たちが果てても何度も要求し、使い物にならなくなったら次の僧侶を捕まえ、喰らう。さながら飢えた狼のようだ。
 そんな奥女中二人を見下ろし、日寛は自らの墨染をはだける。すると目にも眩しい白い下帯が現れた。しかし、下帯の下でいきり立っている筈の逸物に変化は見られない。

「お二方、天悦が欲しくば――――――」

 そう言いかけた日寛だが、その言葉が終わる前に二人の奥女中が襲いかかってきた。嵯峨が日寛の腰帯を解くと、須摩は下帯をむしり取る。そして未だ萎えたままの日寛の逸物に二人の手が伸びてきた。
 嵯峨の細く、骨ばった長い指は日寛の陰茎に絡みつき、激しく扱く。更にもう一方の手は鈴口をくすぐり、日寛を刺激してゆく。一方須摩の小さく、肉付きの良い手は垂れ下がった陰嚢を包み、揉みしだく。さらに太腿にも指を這わせ、少しでも早く日寛の逸物を勃たせようとする。
 その甲斐あってか、日寛の逸物は徐々に力を漲らせ、ようやく情交に耐えられるほどの強度に達する。

「では妾が先に」

「いいえ、妾が先ですわ!」

「お二人共争いはお止めくださいませ」

 日寛はにやりと笑いつつ、二人に命じる。

「でしたら交互に天悦を差し上げましょう。お二方、重なって横になってくださいませ」

 すると何をするか察した嵯峨が仰向けに寝転ぶ。

「ほら須摩!はやく妾の上に」

 嵯峨の言葉にようやく何をするか察した須摩が頷き、仰向けになっている嵯峨の上にのしかかるように身体を重ねた。日寛から見れば、淫らに綻んだ花弁が上下に重なっている形に見える。息づく蜜壺は早く日寛を欲しがってひく付いている。

「良い眺めですね。二人共拙僧が何もしなくてもこんなに濡らして」

そ う言いながら日寛は、自らの指を、嵯峨と須摩の蜜壺に挿入する。

「ああっ!日寛さまぁ!」

「おおうっ!もっと、もっとぉ!」

 二人の奥女中の喉から快楽の嗚咽が漏れる。日寛はひとしきり重なった二つの花弁を嬲ったあと、下になった嵯峨の蜜壺に逸物を突き入れた。

「ひゃあぁ!」

 嬌声というには図太い声が嵯峨から漏れる。

「日寛様ぁ!妾にも!」

「須摩様焦らずに。勿論貴方様にも天悦を差し上げますよ」

 そう言うと日寛は嵯峨の蜜壷から己の逸物を引き抜き、今度は須摩の蜜壺へと逸物を突き入れた。

「あおうっ!」

 須摩の口からも嗚咽が漏れる。日寛は不公平が無いよう、二つの蜜壺に交互に逸物を付き入れ始めた。変に神経を使う分、自らの絶頂には程遠い。だが、二人の年増を一気に満足させるためにはその方が好都合だ。
 更に二人の身体を重ねあわせたことも功を奏していた。互いの乳房や乳首、花芽が日寛の動きによって擦れ、それが更なる刺激になっている。日寛の絶頂がまだまだなうちに、獣のような雄叫びを上げつつ気を遣ってしまったのは、下になった嵯峨だった。そして続けて須摩が絶頂を迎え、嵯峨の上に倒れこむ。

「おやおやお二方、これで終いじゃないでしょう?千代田のお城に帰るにはまだまだ時がございます。更なる天悦をお受け取りくださいませ」

 そう言うと、日寛は嵯峨の蜜壺に逸物を突き入れたまま、須摩の菊座に親指をめり込ませる。

「ああっ、そこは・・・・・・だめぇ!」

 そう言いながらも、明らかに嬌声を判る甘ったるい悲鳴を上げる。

「嘘おっしゃい。須摩様がこちらもお好きだということは小耳に挟んでおりますよ」

「うそっ、そんなの、うそ・・・・・・ああんっ!!」

 そう言いながら、須摩は菊座に日寛の親指をめり込ませたまま尻を激しく振る。その度に淫靡な女臭が濃くなり、淫蜜が飛び散る。

「おやおや、私の逸物を咥え込んでいた時よりも淫らな蜜を流して。嵯峨様、このような節操のない後輩には罰が必要だと思いませんか?」

 日寛の言葉に、今までぐったりしていた嵯峨の目が輝く。

「そうね。確かに妾の上ではしたなく喘いで・・・・・・さっさと気を遣って、妾に場所を譲りなさいませ!」

 嵯峨は嫉妬に燃える目で須摩を睨むと、須摩の凝った乳首をこれでもかというほど強く捻った。




UP DATE 2015.11.11

Back   Next


にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
INランキング参加中。
お気に召しましたら拍手代わりに是非ひとポチをv


  
こちらは画像表示型ランキングです。押さなくてもランキングに反映されます。
(双方バナーのリンク先には素敵小説が多数ございます。お口直しに是非v)

 



背徳の寺、今回は感応寺側を書かせていただきました。こちら側の主役は日寛ですね。御家人に毛の生えたような貧乏旗本(500石取りだとその程度^^;)の妾腹の次男ですが、相当やんちゃだったようで・・・(^_^;)そもそも長男がいるのに妾に次男を生ませた父親の子ですから、女好きは遺伝なんでしょう(^_^;)
そんな彼が放り込まれた場所が智泉院というのも・・・/(^o^)\だいたい千葉というのは勘当息子が流れ着く場所だと言われておりますが、流れ着くどころか、舞い戻ってきてしまった日寛、やることは不良少年時代よりひどいかもしれません(-_-;)
しかしさすがにオバチャン達の相手には飽きが来ているようで・・・そんな中、次回は御庭番組との出会いがあります。果たしてどんな出会いになるのか、次回をお楽しみ下さいませ(#^^#)
関連記事
スポンサーサイト

 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png vague~道場主・作間駿次郎顛末記
総もくじ 3kaku_s_L.png 夏虫~新選組異聞~
総もくじ 3kaku_s_L.png 紅柊(R-15~大人向け)
総もくじ 3kaku_s_L.png 葵と杏葉
総もくじ 3kaku_s_L.png 横浜慕情(大人向け)
総もくじ 3kaku_s_L.png 短編小説
総もくじ 3kaku_s_L.png VOCALOID小説
総もくじ 3kaku_s_L.png 雑  記
総もくじ  3kaku_s_L.png vague~道場主・作間駿次郎顛末記
総もくじ  3kaku_s_L.png 夏虫~新選組異聞~
総もくじ  3kaku_s_L.png 紅柊(R-15~大人向け)
総もくじ  3kaku_s_L.png 葵と杏葉
総もくじ  3kaku_s_L.png 横浜慕情(大人向け)
総もくじ  3kaku_s_L.png 短編小説
総もくじ  3kaku_s_L.png VOCALOID小説
総もくじ  3kaku_s_L.png 雑  記
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【ボカロ小説 聖龍協奏曲~奏国物語外伝 颯月宮決戦1】へ  【烏のまかない処~其の二百二十九・雪見だいふくモンブラン味】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【ボカロ小説 聖龍協奏曲~奏国物語外伝 颯月宮決戦1】へ
  • 【烏のまかない処~其の二百二十九・雪見だいふくモンブラン味】へ