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【  2009年09月  】 

葵と杏葉世嗣編 第十六話 殿様道楽・其の壹

葵と杏葉・世嗣編

2009.09.30 (Wed)

  ようやく梅雨が明け、濃い緑に包まれた江戸城が夏の日差しに鮮やかに映える。緑陰を吹き抜ける風も爽やかな城内帝鑑の間において、佐賀藩主名代・直堯と茂義は、老中・大久保加賀守に対し一連の佐賀藩の失態についての最終報告をしていた。二人が江戸に来てから早半月、肥後藩との交渉、家中の処分に対する藩主の横やりなど難航を極めたが、ようやく一通りの後始末も終わり今日にこぎ着けたのである。「これならば諸侯も納得するで...全文を読む

幕末歳時記 其の拾肆・更衣(西郷隆盛&とま)

幕末歳時記

2009.09.28 (Mon)

 (なんちゃって薩摩弁&奄美言葉にはご容赦を^^;)「”とま”・・・・・おまん、また来たんか。父御もよか顔をせじしょう?」 南国、奄美の風にも秋の気配が漂う頃のことである。両手いっぱいの着物を抱えやって来た佐栄志の娘・とまに対し西郷隆盛は困ったような、見ようによっては諦めに近い表情を浮かべた。 何かと世話を焼きたがる奄美の娘が流刑人同然の西郷の許に通い出したのは今から半年前からである。美玉新行の空家を借...全文を読む

葵と杏葉世嗣編 第十五話 別邸炎上・其の参

葵と杏葉・世嗣編

2009.09.23 (Wed)

  斉正、盛姫連名のその書状に書かれていた事――――――それは、露見すれば間違いなく改易になる事件であった。「有田と納富の奴、長崎御番を肥後藩に売りつけようと画策していたらしい。江戸の藩邸からその密約の詳細が書かれた紙切れが出てきたと知らせが来た」 直堯とは長い付き合いになるが、これほど深刻な直堯の顔を見るのは茂義にとって初めてであった。だが、そのあまりに信じがたい内容に思考がついていかない。「な・・・・...全文を読む

葵と杏葉世嗣編 第十四話 別邸炎上・其の貳

葵と杏葉・世嗣編

2009.09.16 (Wed)

  暖かい春の日の宵、幻想的な行灯の灯が部屋を照らす中、直孝の手元を照らす蝋燭だけが唯一現実をさらけ出すかの如く強い光を放つ。 皆が見守る中、直孝は眉間に皺を寄せながら江戸藩邸の経済状況がつぶさに書かれた帳簿を読み込んでいた。いつになく深刻なその表情から誰も直孝に声をかけることが出来ない。ほんのりと桜花の香りが漂い、満月に近いおぼろ月も風流な春の夜に似つかわしくない重苦しい空気が部屋を押しつぶすよう...全文を読む

幕末歳時記 其の拾参・中秋の名月(徳川家茂&和宮)

幕末歳時記

2009.09.15 (Tue)

  八月も半ばになり、秋の気配が江戸を包む。鈴虫が美しい声を響かせる中、ここ大奥では例年と変らず月見の宴が行われていた。否、むしろ変えることを恐れるかのように無理矢理月見の宴を強行したと言った方がいいだろう。 第二次長州征伐が実質的な幕府軍敗戦に傾いており将軍・家茂の喪に服している最中、祝いの行事は控えるべきなのだろう。だが良人の死の知らせを聞いた和宮のあまりの落ち込みように、姑である天璋院がことのほ...全文を読む

葵と杏葉世嗣編 第十三話 別邸炎上・其の壹

葵と杏葉・世嗣編

2009.09.09 (Wed)

  それは桜の花が咲き誇る日の事であった。気の早い桜の花びらが風に乗って座敷へと舞い込んでくる穏やかな午後、桜が舞い込んだその座敷は――――――というよりその座敷にいる二人の周囲だけは尋常ならざる空気に包まれていた。「品川の別邸を打ち壊し、焼き払うだと?馬鹿は休み休み言え、富八郎!」 いつもと様子が違う茂義を捉まえ、何を隠しているのか問いただした直堯であったが、思いも寄らぬ事を茂義に打ち明けられ思わず気色ばむ...全文を読む

葵と杏葉世嗣編 第十二話 御通抜け・其の参

葵と杏葉・世嗣編

2009.09.02 (Wed)

  昨日の雪が嘘のように晴れ渡った青空の下、将軍一行が吹上御庭を抜け、佐賀藩邸にやってきたのは正午少し前の事であった。 盛姫のたっての願いもあり、江戸城から極めて近い佐賀藩邸への『御通抜け』という事でお付きの人数は二百名程と普段よりは少なめである。少なめ、と聞いてびっくりするかもしれないが、これが『御成』であれば千人単位の人間が将軍に付き従うので、それに比べたら極めて少人数であるのが判るだろう。某藩では一...全文を読む

幕末歳時記 其の拾貳・虫聞き(緒方洪庵&八重)

幕末歳時記

2009.09.01 (Tue)

 「また来はったか・・・・・ええ加減お上も諦めてくれたらええのに。」 鳴き始めた蟋蟀の声を耳にしながら緒方洪庵は江戸から届いた手紙を見てため息を吐く。幕府から天然痘予防の活動を認められてからというものまるで借金の取り立てのように『奥医師』への要請の手紙や使者が洪庵の許にやってくるのだ。 いくら『身分など必要ない』と言っても、『大勢の塾生や病人を見捨てる事は出来ない』と訴えても馬耳東風、相手は聞き流して...全文を読む

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乾小路烏魅

Author:乾小路烏魅
幕末~明治を中心とした歴史小説ブログです。
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角川twitter小説大賞優秀賞受賞

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