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【  2009年07月  】 

葵と杏葉世嗣編 第八話 婚礼・其の貳

葵と杏葉・世嗣編

2009.07.29 (Wed)

  真新しい木の香と畳の香も清々しい御住居の中、その部屋だけは重苦しい空気に包まれていた。豪奢な時代であっても極めて贅沢と云われる百目蝋燭が何本も灯され、その灯の中に照らし出された『それ』は、茂義にとって悪い夢だと願いたくなる代物だった。「こ、これは・・・・・・!」 空っぽの犬張子を見つめたまま、茂義は愕然とする。『婚礼の証』を納める筈の犬張子には肝心の『証』が無かったのだ。「見た通りじゃ。つまり・...全文を読む

幕末歳時記 其の拾・八朔の雪(沖田林太郎&おみつ)

幕末歳時記

2009.07.28 (Tue)

 「やっぱり気が進まないなぁ。」 火熨斗のかかった紋付き袴を見ながら新懲組六番組組頭・沖田林太郎はため息を吐く。「旦那様、これで十五回目のため息ですよ。」 しかめ面の良人のため息の数を指摘しながら妻のおみつは良人の肩に付いた塵を取り除いた。「せっかくの松平様からのお誘いなのですから、たまには羽を伸ばして来て下さいませ。でないと私の落ち度になります。『だから婿養子は・・・・。』って。」 おみつは林太郎...全文を読む

葵と杏葉世嗣編 第七話 婚礼・其の壹

葵と杏葉・世嗣編

2009.07.22 (Wed)

  冬もだいぶ深まった文政八年十一月二十七日、佐賀鍋島藩世嗣・貞丸改め斉正と将軍家十八・女盛姫との婚礼の日がとうとうやってきた。 どうなる事かと危ぶまれた『御住居』も御引移直前にかろうじて出来上がり、関係者をほっとさせる。威風堂々とした通称『黒門』には婚礼の為に飾り付けられた高張提灯が掲げられ、新しい女主人を今や遅しと待っていた。 『黒門』とは徳川の娘を入輿させた五位以上三位未満――――――すなわち十万石...全文を読む

葵と杏葉世嗣編 第六話 火事騒動と龍の彫物・其の貳

葵と杏葉・世嗣編

2009.07.15 (Wed)

  紅蓮に燃えさかる炎の中、あまりにも鮮やかすぎる背中の彫物――――――それは幼い貞丸は勿論、周囲にいる大人達にとっても驚きであった。 彫物、いわゆる刺青は、文化・文政を境に全く違う様相を呈する。それ以前は男女の仲を確かめる為に入れる入れ黒子、侠客、鳶などが彫る題目・名号、漁師などが事故にあった場合の目印など呪術的、または必要に迫られてのものが多かった。 しかし化政文化後半になると時代の風潮もあり、風景や...全文を読む

幕末歳時記 其の玖・土用の丑の日(伊庭八郎&小稲)

幕末歳時記

2009.07.14 (Tue)

 「・・・ぬしさまの目当てはわきちじゃなく『伊豆栄』のうな重かえ?」 うれしげにうな重に舌鼓を打つ伊庭八郎に対し敵娼(あいかた)の小稲はあきれ顔でため息を吐いた。紗綾形の裾模様もあでやかな緋鹿子の胴抜(遊女の寝間着)に烏の濡羽色の黒繻子の昼夜帯、洗ったばかりの髪も乾かぬままのしとげない姿で放り出された小稲は堪ったものではない。「そんな事はねぇ。おめぇもうな重も同じぐれぇ好きさ。」 ちっとも言い訳にな...全文を読む

葵と杏葉世嗣編 第五話 火事騒動と龍の彫物・其の壹

葵と杏葉・世嗣編

2009.07.08 (Wed)

  文政七年師走、藩主の名代として肥前佐賀藩請役となった鍋島茂義は、江戸城帝鑑の間に通されていた。遠く上座には四十そこそこの若い老中、大久保加賀守が鎮座している。そもそもこの年は参勤の年ではないのに、何故茂義が江戸に来ているのだろうか?それには泣くに泣けない深い理由があった。「頼みます!あともう一年の猶予を・・・・・どうかこの通り!今しばらくの婚儀の延長をお願い致します!世嗣貞丸はまだ十一歳、姫君の...全文を読む

幕末歳時記 其の捌・七夕(高杉晋作・お雅・おうの)

幕末歳時記

2009.07.07 (Tue)

 お雅(まさ)が良人、高杉晋作の妾・おうのに初めて出会ったのは桂小五郎の斡旋により高杉が藩主から帰郷を許された元治二年六月の終わりであった。 攘夷の為、国中を飛び回っているのは仕方がない。女性に対して愛想が良く、周囲の女達が放っておかないのも我慢しよう。 しかし、防長一の美人と謳われた妻(じぶん)というものがありながら、まさか妾まで一緒に帰ってくるとはどういう事なのだろうか。お雅は良人のあまりの行動...全文を読む

はじめにお読み下さい~『暁光碧烏』トリセツ

未分類

2009.07.07 (Tue)

 この度は歴史小説ブログ『暁光碧烏』へお越しいただき、誠にありがとうございます。基本的にはふらっと立ち寄って戴き、お好みの駄文をお楽しみいただければ幸いなのですが、拙宅を楽しんで戴く上でいくつかの簡単なお願い事がございます。ごくごく基本的な事ですが、こちらの方をご確認戴いた上でゆっくりとおくつろぎくださいませ。◆お願い事★大人向け作品についてブログ統合に伴い、一部大人向け(R-18等)作品が混在することに...全文を読む

閻魔堂華宵 第三話・近世名優三代目沢村田之助

閻魔堂華宵~幕末百話異聞~

2009.07.03 (Fri)

 深い森の奥にある小さな小さな閻魔堂。そこは名も無き人々の行き着く場所、死者の楽園の王であり地獄の十王の支配する場所である。 普段は極楽に行くにしろ、地獄に行くにしろ決定的な決め手が無い、名も無き人々が訪れる閻魔堂であるが、時にとんでもない人物が迷い込んでくる事もある。そしてそのような人物が迷い込んでくる時、決まって閻魔堂に愛おしくも困った者がやってくるのである。「お兄様、お久しゅう。」 閻魔堂にい...全文を読む

幕末歳時記 其の漆・夏越しの祓(沖田総司&小夜)

幕末歳時記

2009.07.01 (Wed)

 うっとうしい梅雨もようやく明け、夏の日差しがじりじりと照りつける頃になると夏越しの祓の茅の輪があちこちの神社に飾られ始める。夏越しの祓は、半年分の穢れを取り去る清めの祭りであり夏の最後を彩る祭りでもある。「茅の輪ですか・・・・もう夏も終わりなんですねぇ。」 元気よく『蘇民将来』と唱えながら貴船神社の大きな茅の輪をくぐる子供達を見やり、感慨深げに沖田総司は呟いた。 池田屋事変の後、その華やかな手柄に...全文を読む

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乾小路烏魅

Author:乾小路烏魅
幕末~明治を中心とした歴史小説ブログです。
ひと時の時間旅行、ご堪能くださいませv
角川twitter小説大賞優秀賞受賞

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